児童小説の感想文・書評

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那須正幹「ズッコケ三人組の卒業式」

ズッコケ三人組の卒業式 (ズッコケ文庫)ズッコケ三人組の卒業式 (ズッコケ文庫)
(2005/03)
前川 かずお、那須 正幹 他

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 いるまがわです。

 「ズッコケ三人組の卒業式」を読みました。
 シリーズ最終巻、第50巻です。
 涙にも爆笑にもならず、ミステリ仕立てのお話でした。
 作者があとがきで書いているのですが、「ズッコケ文化祭事件」、「ズッコケ三人組の未来報告」に連続している話です。とにかく、これでもう、ズッコケの新作は読めません。

 作中、モーちゃんがいってます。
「長かったねえ。なんだか二十六年ぐらい、ずっと六年生やってたみたいな気がする。」
 まったくです。

 シリーズの終わりの方は、ものすごく面白いというわけでもありませんが、このレベルを維持したまま無事完結したことは、さすがに大作家だと思います。終盤で面白かったのは、46巻の「地底王国」でした。コロボックルシリーズへのオマージュ作品で、あれが最後のひと花でしょう。

 そんなわけで、終わってしまったのです。
 もう、20世紀ではなく、昭和が遠くなりました。



 ※以下、○○○さんへの返信。
 「今から読み始めるのは遅いか」との問いに対して。


 いや、遅くはないと思いますよ。
 何も買わなくたって、ズッコケは図書館にずらりとあります。
 大人にウケるような話もありますから、そのへんから読んでみてはいかがでしょうか。
 その点でのオススメは、「児童会長」「株式会社」「結婚相談所」「文化祭事件」「修学旅行」「大震災」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」といったところです。

 ズッコケよ永遠に。

 そうなんですよ。文章がすごくうまいんです。
 文面を見て、ため息が出ます。どうしたら、こんな風に書けるんだろうなんて思います。

 時代性という点では、なんだかんだで、作者は世の中に合わせて作品の中も変えてきてるような気もします。ラストの方で二回、パソコンが出てきました。また、体験学習みたいな話もありました。

 これ以上続けると、道徳の授業とか、国旗国家の問題とか、キナくさくなっていく世の中から、どんどんずれていくだろうことが、予想されます。日常ギャグが通じない世の中なんて、嫌な時代が近づいているのかも知れません。

 ○○○さん、全巻読破、面白いと思いますよ。
 世の中がすっかり変わる前に……


※04/12/07の文章


※ズッコケシリーズの児童文学界に果たした役割は、あまりに大きい。ちょっと前にゾロリシリーズを図書館から排除する動きがあったように、ズッコケも図書館から追放されそうな時期があった。ウソみたいな話だ。

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